OEを持つギフテッドと一般人の身体感覚の違いを事例を交えて紹介

ギフテッドのX君は夜寝る時に許容範囲内の音が耳に入ると身体が反応して目が覚めてしまう。

しゃべり声、歯磨きの時の口をゆすぐ音、部屋のドアを閉める音などといったような生活音にさえも・・・

X君とそのお父さんはそれが原因で関係が拗れてしまったそうだ。その事例を紹介しよう。

 

お父さん、夜23時以降は静かにしてよ。

逆にお父さんが寝ている時にボクの立てる音がうるさかった場合は申し訳なく思うから言ってくれれば直します。

だからお父さんも23時以降は音に気を使ってほしいんだ。

 

お父さん:お前、俺の行動を制限しようとしているのか?

 

確かにボクがこう言うとお父さんに対して行動を制限していると、思われるかもしれないけど全くそんな気持ちは無いです。

 

昨日、お父さんはこう言った。

Xの立てる音がうるさかったぐらいで何も言わない。

それは何故かと言うと思いやりがあるからだ。

 

それに対してボクは・・・

お父さんが寝ている時にボクがうるさいと感じたらその事を言ってほしい。と言った。

 

するとお父さんは

そんなにくだらない事では言わないよ。と言った。

 

お父さんにとってはくだらない事なのかもしれない。

おそらくお父さんはボクが音で身体に受ける刺激をそこまで感じないから取るに足らないような小さな事にしか思わないのかもしれない。

でもボクは音で身体が刺激されて目覚めてしまう。

だからボクにとっては決してくだらない事では無く、とても重大な問題なのです。

 

ボクは1日のうちに10時間程度パソコンを研究の為に使っている。

だからこそ睡眠は一番大事な事だと思っている。

その一番大事な事が騒音とかの理由で狂ってしまうと自分の中で大きな怒りとなってしまうのです。

だから気を使って欲しいと言っているのです。

 

気を使って欲しいというだけであって、何も命令したり、指図したりしている訳ではありません。

本当にどうか理解して欲しいのです。

ねぇ、理解してくれよ、お父さん。

 

どうやらお父さんはボクの頼みを「ボクからの行動制限」と誤解したそうだ。

OE持ちの私の身体が音(ボクにとっては騒音レベル)によって悲鳴を上げている事をどんなに伝えてもOEを持っていないお父さんは気づいてくれない・・・

OE持ちはOE持ちを知り、非OE持ちはOE持ちの気持ちが分からずその逆も然りという事なのであろう。

“天才は天才を知る”とはよく言ったものだ。この格言に通ずる何かがこの事例でもお分かり頂けただろう。

 

OEを持つギフテッドと一般人の乖離現象は能力面だけでは無く、このような身体的感覚にも表れる。

OEとはそのぐらい強烈なものであり、プラスにもマイナスにも働く諸刃の剣なのである。

学術や芸術に秀でるギフテッドならではの悩みを事例を交えて紹介した。